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アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは、長期にわたり繰り返す強い痒みを伴った湿疹を主な病変とする慢性湿疹です。患者さんの多くはアトピー素因を持っています。生後1~3カ月頃の赤ちゃんでは、しばしば顔に湿疹が出ますが、4カ月を過ぎる頃にはよくなってしまいます。このようなものは通常アトピー性皮膚炎とはいいません。良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら、長く続く湿疹をアトピー性皮膚炎といいます。
原因
アトピー性皮膚炎のメカニズムには多くの要素がありますが、大きく分けると3つの要素で成り立っています。
1.皮膚のバリアー機能の低下
2.アトピー素因などの内面的な問題(いわゆるアレルギー)
3.増悪因子(ストレス、発汗、紫外線、化学物質など)
アトピー性皮膚炎のお子さんの肌はいわゆる乾燥肌(ドライスキン)であり、外部からの刺激に非常に敏感です。また、アトピー素因があることが多く、その他多くの要素が加わって、湿疹病変ができ上がっています。
小児のアトピー性皮膚炎、特に乳幼児では、アトピー性皮膚炎の原因の一部として、食物アレルギーが関与していることがあります。アトピー性皮膚炎=食物アレルギーではありませんので、自己判断で食事制限などをするのはよくありませんが、一部には湿疹の改善のために、食事制限が必要なお子さんも存在します。食物アレルギーの診断は、検査結果だけでなく、むしろ実際の症状で行うことが多いので、医師としっかり相談するようにしてください。
治療について
アトピー性皮膚炎の治療は、(慢性疾患のため)長期に及びますが、治療の反応性にも個人差があります。すぐ改善しなくても、あきらめずに根気よく治療をする必要があります。また、小児のアトピー性皮膚炎では、湿疹の出かたは年齢に依存する傾向があり、年齢が上がってくると(自然経過で)湿疹が改善してくるケースが多くみられます。
家庭でのケアと一般的注意事項
皮膚の清潔を保つ
★入浴の励行
原則石鹸を使って洗います。石鹸は香料等を含まない普通の石鹸で良いでしょう(低刺激石鹸も市販されていますが、普通の石鹸が肌に合わない場合、使用を考えればよいでしょう)。石鹸は洗い残すとかぶれの原因となりますので、必ずよく洗い流してください。
★衣服
肌着は木綿が適しています。こまめに洗濯をし、洗剤が残らないようしっかり濯ぎます。柔軟剤は使わない方が無難です(例外もありますが)。
首のまわりに湿疹がある場合は、襟のない衣服を着させます。また、化繊や、毛でなくてもチクチクするものは避けます。
無意識に掻くときは、長袖、長ズボンを着させることも考えます。
★爪は短く切って、手洗いを励行しましょう。
★外から帰ってきたら、石鹸で手洗いをし、汗をかいたとき、泥遊びをしたときなどは、シャワーを浴びて、保湿剤をつけましょう。プールに入ったときも同様です。
★日光で湿疹が悪化するお子さんも時々います。このような場合は、帽子、長袖、長ズボンの着用と、日焼け止め(サンスクリーン)を使うこともあります(少量を試してみて、湿疹の悪化がないか確認してから使用してください)。
★食物アレルギーに関して
乳幼児のアトピー性皮膚炎の一部では、食物アレルギーが関与していることがあります。実際には食物は関係ないお子さんが大多数ですが、食事はアトピー性皮膚炎の原因の一部であることも事実です。食物アレルギーが疑われる場合は、食事の除去が必要となります。どんな食品をどのくらいの期間除去するかは必ず医師に相談してください。